堆肥化コスト削減のための3つの効果的な戦略
堆肥化の経費削減に成功するための5つの戦略をご紹介!品質管理やリサイクル製品の利用など、コスト削減のポイントを解説します。経済的な堆肥化を目指す方におすすめの情報です。
副資材の見直しを図る
木質系の副資材を使用している場合、近年の木質資材の価格高騰により、コスト負担が増しています。
副資材の種類を、より調達のしやすいものに変更することで、大きくコストダウンを図ることができる場合があります。
副資材の種類を変える
例えば、オガコをモミガラに、モミガラをバークチップに、など、より調達のしやすい(量が豊富で価格が安い)資材に変更することで、コストダウンを図ります。
ただし、副資材の変更により発酵への影響が出る場合も多いので、事前に小規模の試験を行うことをお勧めします。
この手法は設備導入が不要ですので、実行しやすい手法と言えます。
副資材の粒径を変える
副資材の粒径を変えることでも、コストダウンが可能な場合があります。
一般的に、粒径の小さな木質チップは、二次または三次破砕の加工が必要なために価格が高く設定されています。大きな粒径のチップは生産コストが低いので、こうした資材へ変更することでコストダウンを図ります。
大きな資材は見た目の悪さから敬遠されることも多いのですが、乾燥や発酵が早く進む場合もありますので、事前の調査、検討を行った上で問題がなければ積極的な導入をお勧めします。
また大きな粒径の資材は、あとでふるい分け装置で分離すれば、堆肥の中には残りません。
副資材使用量を減らす
副資材購入費が徐々に高騰していますので、使用量を減らすことで経費削減が可能です。
ただし、単純に副資材を減らすと、発酵温度の低下、悪臭の発生、堆肥の泥状化や施設内への汚水発生など、発酵不全の特徴的な症状があらわれます。
戻し堆肥の活用
副資材の一部を戻し堆肥に変更することで、コストダウンを図ります。
ただし、戻し堆肥を利用する上では、生産堆肥の含水率を一定にする必要があるなど、いくつかの制約条件が生まれます。
電気代を抑える
堆肥化施設で使用される設備のうち、以下のものについては電気代削減の可能性があります。
- 堆積型発酵槽で使用する、通気用の高圧ブロワ
- 生物脱臭槽の吸気ブロワ
これらの機器をご使用の施設はご相談ください。
堆積型発酵槽で使用する、高圧ブロワへの対策
高風圧ブロワをご使用の場合、日量50トン処理だとブロワ電力費が年間500万円を超えるケースがあります。
そこで一部の通気設備を変更したり、通気を制御して電力使用量を削減したりすることでコストダウンを図ります。
生物脱臭槽の電力削減
生物脱臭槽の種類にもよりますが、脱臭基材を性能の高いものに変更することで、送風量や通気の圧力を低減してより小さなブロワに変更し、電力費を削減できる場合があります。
脱臭装置のコスト削減
脱臭装置は大きく分けて、化学的処理(スクラバや消臭剤方式など)と生物脱臭処理とがあります。
特徴として、化学的処理の場合は薬液費が必要となりランニングが高額になる、生物脱臭の場合基材の交換に多額の経費がかかると言った点が挙げられます。
当社ではガラス発泡材を利用した脱臭技術をご用意しておりますが、性能の経時変化がきわめて少ない上に、薬液を使用せず、基材の交換も不要になるなど、優れた特徴を有する技術です。
ガラス発泡方式(ポーラスα)による脱臭システム
ポーラスα脱臭システムは、鳥取県が特許取得したガラス発泡技術を用い、鳥取県中小家畜試験場が開発した生物脱臭のシステムです。
従来の生物脱臭と比べ、
- 高い脱臭性能を誇り、設置面積が少なくて済む
- 性能の劣化がほとんどなく、半永久的に基材の交換が不要
- 通気抵抗が少なく、電気代の削減が図れる
- 循環水利用により、排水が少ない
といった特徴を誇ります。
省力化する
堆肥化施設内での作業を省力化することで、燃料費や人件費の削減を図ることが可能です。
具体的には、
- 仕込み作業の省力化
- 切り返し作業の省力化
などの方法が挙げられます。
仕込作業の省力化
一般的に、堆肥原料と副資材を混合する仕込作業は、重機(ショベルローダー)で行われることが多いのですが、作業時間がかかる上に均一に混合できないといった問題があります。
当社で開発した「混合装置 Cモード」は、こうした仕込作業を省力化してコスト削減するだけでなく、処理物を均一に混合することで堆肥原料の表面積を広げ、発酵期間の短縮や堆肥品質の向上にも役立ちます。
切り返し作業の省力化
切り返し作業を省力化することでも、経費削減が可能な場合があります。
当社の「高圧通気システム イージージェット」は、ブロワの50-100倍の圧力で堆肥原料のすみずみに空気を均一に供給し、面倒な切り返し作業を低減する技術です。