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寒冷地でなかなか堆肥化が進まない…発酵温度を上げるための3つの方法

堆肥化プロセスにおいて、適切な発酵温度を維持することは重要です。本記事では、堆肥の発酵温度を上げるための3つの効果的な方法を紹介します。

堆肥の生産方法を改善する

設備を伴わずに堆肥化の発酵温度を上げるのに有効な方法として、
1.熱量が高い資材、または易分解性の資材を添加する
2.副資材の配合や種類を変える
などの方法があります。

 

熱量が高い資材の添加

一般的には廃白土などが良く知られていますが、防火対策など取扱に注意が必要です。
廃白土以外にも米ぬかや廃糖蜜なども候補に挙げられ、地域性や輸送費を含めた調達コスト等を勘案して検討することが重要です。
また、堆肥化工程に与える影響も事前に調査する必要があります。

 

副資材の配合や種類を変える

原料と副資材の配合配合を適正なものに変更することで発酵状況が改善し、発酵温度が上昇する場合が多くあります。
また、副資材の種類を変更することでも、発酵温度が改善するケースがあります。
副資材の種類の変更とは、例えばモミガラをオガコに変えると言った変更のほか、含水率の低い副資材に変える、副資材の粒径を変える、などの方法があります。

 

通気を改善する

通気方法の改善によって発酵温度の上昇が図れるケースがあります。特に、

  1. 通気設備を有していない
  2. 通気の目詰まりが多い
  3. 通気管のピッチが広い
  4. 空気の通り道が出来てしまう
  5. ブロワ通気を行っており、冬になると温度低下が激しい

などの状況に該当する場合、通気改善により発酵温度が上昇し、処理が安定する効果が見込めます。

 

通気の改善による発酵温度上昇の方法

高圧通気システムは、従来のブロワ方式の50-100倍の高圧空気を用いた通気方式で、原料の隅々に強制的に酸素供給することで発酵を促す仕組みです。
原料がまんべんなく空気に触れることで温度上昇しやすく、かつブロワのような冷却作用が少ないのが特徴です。

 

加温装置を導入する

加温装置を導入することで強制的に発酵温度を上げる方法もあります。
当社では、コストが比較的安い、堆積通気型による加温発酵槽をお勧めしています。

 

堆積型加温発酵槽

原料と副資材とを混ぜた直後の混合物に、床面から暖かい空気を送風して加温する方法です。
1-2日間程度の期間、一定温度まで加温すると、あとは高温域の微生物が選択的に繁殖し始めますので、エネルギーコストが安く済みます。
この方法は、原料の含水率、量などに応じて、自由な設計が可能です。

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株式会社 ミライエ

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堆肥化を中心とした、リサイクル設備のプラントメーカーです。
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