イージージェット導入により汚泥堆肥化の安定、臭気も改善!
S社様
長野県の下水汚泥堆肥施設様にて、イージージェット導入により冬場の発酵不良と臭気を大幅に改善。冬でも安定して堆肥化が進み、臭気の軽減を実感されたお声をご紹介いたします。
冬の寒さと臭気に挑む ― 導入前の課題
私たち(S社様)は、長野県木曽地域で長年にわたり堆肥化事業に取り組んできました。扱うのは主に下水や浄化槽の汚泥です。昔は重機で切り返すなど人力中心の運用で、その後スクープ(他社製)も導入しましたが、地域特有の寒冷な気候により「冬場の発酵不良」が大きな課題でした。汚泥を投入しても温度がなかなか上がらず、未消化のまま出てきてしまうことも多々ありました。
また、当時は臭気の問題も深刻で、施設周辺からの苦情も少なくありませんでした。地域に根ざす企業として「環境に配慮しながら安定した堆肥化を実現したい」という思いが強くありました。堆肥は単なる処理物ではなく、農地に還元できる大切な資源です。その品質を高めることが、自社の理念にも、そして社会的にも求められていました。こうした背景から、イージージェットの導入を決断しました。
1日8トン、年間2,000トンで、地域を支える処理体制
2019年に導入しましたが、現在は一日あたり7〜8トン、多いときには10トン弱を受け入れています。三日に一度程度のサイクルでスクープと併用してイージージェットを稼働させ、年間ではおよそ2,000トンを処理。そのうち堆肥として出来上がるのは約3分の2にあたる1,300〜1,400トンです。
原料は木曽地域を中心に長野市や伊那方面から運ばれており、出来上がった堆肥は袋詰めとバラ売りの両方で出荷しています。
処理規模は以前の4トン車での発酵処理時代と比べて大幅に拡大し、地域の下水汚泥処理を支える存在となりました。また、臭気低減の効果もあって近隣環境への影響も少なくなり、地域全体に良い効果をもたらしています。
導入後の変化
導入後の一番の変化は「臭気の改善」です。堆肥舎でも以前ほど臭わなくなりました。真夏の酷暑でも扇風機程度で対応でき、近隣からの苦情もほとんどありません。冬場の発酵についても、おが粉や戻し堆肥を活用しながら運転することで、以前のように「汚泥を入れても未消化で出てくる」ということは減りました。
堆肥の品質も安定してきたと感じています。もちろん、冬はどうしても温度が上がりにくいので工夫は必要ですが、経験を重ねる中で「適切な量の戻し堆肥を入れる」など、ちょうど良い加減を掴めるようになりました。
堆肥の販売は、農家の高齢化や価格面の課題から必ずしも順調ではありませんが、それでも「安売りせず品質を守る」ことを大切にしています。農業を新たに始める若い方々に少しずつ使っていただけるようになり、販路の芽も見えてきました。
イージージェットについては、維持管理の手間はありますが、それ以上に効果を実感しています。特に「冬場の発酵」と「臭気対策」は確実に改善されました。今後はさらに効率よく減量できる運転方法や、副資材の活用も検討していきたいと考えています。

左はS社の代表様、右は弊社代表の島田
未来へつなぐ堆肥づくり
堆肥化を取り巻く状況は決して楽ではありません。処理費用や販売単価のバランス、農家の高齢化など課題は山積みです。しかし、私たちは「臭わない」「安定して発酵する」堆肥をつくり続けることが、地域やお客様の信頼につながると信じています。
これからも、地域に求められる堆肥づくりを使命として、環境に優しい循環型社会の実現に貢献していきたいと思います。
お客様について

S社 様
長野県の中でも特に寒冷な地域に位置するS社様では、かねてより地域の環境保全と資源循環に力を入れてこられました。下水汚泥を中心に年間約2,000トンの原料を受け入れ、冬場は氷点下が続く厳しい条件の中でも安定した発酵と処理を実現されています。