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第11話 冬場の堆肥の乾燥

堆肥化現場を回る中で、度々話題になる「冬ならではの課題」。その原因と対策を、島田がまとめました。

冬場の堆肥化の課題

今日はちょっと技術的な内容を書こうと思う。
ずばり、「冬場の堆肥の乾燥について」。

 

換気を変えるだけで、堆肥化施設はここまで変わる

冬場に堆肥化施設を回っていると、
「場内が湯気で真っ白で、先が見えない」施設をよく目にする。
特に、臭気対策のために建屋を密閉構造にしている施設で、この傾向は顕著だ。

こういう場合によくお勧めしているのが、換気の改善。特にフォローウィンド扇の設置である。
まずは下の画像を見てほしい。

 

この施設では壁際に換気扇がついていたが、場内は常に湯気で白かった。長辺が50m以上ある堆肥化施設なので、換気扇だけでは十分に換気できていなかったのが原因だ。

そこでフォローウィンド扇を場内の真ん中に置いたところ、このように改善した。この方法は投資コストも低いので、同じ状況の施設の方は試してみてほしい。
吊下げ式のフォローウィンド扇は、安いものなら1台が10万円くらいから販売されている。

 

その他にできる工夫

① 風の流れを作る

堆肥化施設の換気扇は、必ずどちらかが吸気、どちらかが排気になるようにしないといけない。両方排気になっている施設もたまにあって、そうすると壁に近い空気しか動かないことになる。そうではなくて、どちらか一方に風の流れを作ることが大事。ちなみにどの向きにしたらよいかという点も工夫があって、できるだけ臭気を流したくない方向(例えば集落に近いほう)を吸気側にして、反対側に排気するほうが良い。

② インバーターで管理

壁側の換気扇については、設計段階では比較的大きなスペックの装置をチョイスすることになるので、できればインバーターを付けて風量を制御できるほうが良い。インバーターがあれば換気量を調整できるので、場内の冷やしすぎを防ぐことができる。

③ 湿度センサーと連動

もう一つ、ミライエでよくやるのが「湿度センサーと連動させる」こと。高湿度の時だけ換気扇にたくさん換気してもらう。外気が氷点下になるような施設だと、この方法はかなり効果がある。

 

乾燥に対するよくある誤解

現場ではよく、
「寒いから堆肥が乾かない」
と言われるが、実際には気温よりも湿度が大事だ。

サウナの中では、濡れたタオルはなかなか乾かない。
一方、冬の屋外に洗濯物を干すと、気温は低くても、風があればタオルはパリパリに乾く。

堆肥化施設の中で起きていることも、これとほぼ同じだ。

場内が湯気だらけ=湿度が高すぎる状態では、いくら発酵熱が出ていても、水分の蒸散は進まない。
「寒いから乾かない」のではなく、「湿度が高すぎて、水が逃げられない」のである。

換気を変えるだけで、施設の表情は驚くほど変わることがあるので、乾燥に課題がある施設はぜひ検討してみてほしい。

 

(第11話 おわり)

writer

島田社長

(株)ミライエ 島田社長

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1970年生まれ。靴の製造メーカー勤務を経て、2000年に家業の第一コンサルタント(現ミライエ)に入社、2006年に父親から社長を継承した。
現在のミライエに社名変更後、環境機器の専業メーカーとして全国に数百の納入先を開拓している。

プライベートでは料理好きで、クックパッドには100種類のレシピを載せており、ワイン好きでもある。
ワンちゃんとのレストランめぐりとボクシングが趣味で、好きな言葉は『笑う門には福来る』!