新規堆肥舎建設でも人員そのまま、完熟堆肥で黒字経営(導入先:鳥取県伯耆町堆肥センター様)
公共堆肥センターで家畜糞により高品質堆肥を生産し、新規堆肥舎建設で黒字経営に成功した事例です。
- 導入した商品
- イージージェット堆肥化プラントCモード
- 納入先・場所
- 鳥取県/鳥取県伯耆町様
- 処理物
- 馬糞+牛糞、年間1,500トン
- 課題
- 年間1,500トンの堆肥生産を行う堆肥センターで、冬場でも高品質な堆肥を製造したい
鳥取県伯耆町堆肥センターさまの堆肥化概要
鳥取県の伯耆町内にはJRAの競走馬を訓練するトレーニングセンターや多数の牧場があります。これらの施設から出る原料を混合し、冬期にはマイナス10℃程度にもなる中で、完全に熟成させて堆肥化しています。馬糞と牛糞の有効活用に繋がり、その処理量は年間1,500トンにもなります。
『Cモード』の導入
まず、平成15年の堆肥センター建設時にCモードが導入されました。
Cモードはロータリーキルンと呼ばれるドラム型の回転式混合装置です。
堆肥化の前処理としてこのCモードを利用すれば、品質と堆肥化時間に大きな差が生まれます。
例えば汚泥、糞尿、生ゴミなど粘性の高い原料も、特殊な構造のCモードなら、ボタン1つで5-20㎜程度に粒状化できるのです。
当施設では馬糞・牛糞の2種類の原料を混合しており、原料投入後にボタン一つで起動、短時間で処理が終了します。少ない電力で稼働し、シンプルな構造で省エネタイプの装置となっています。導入から20年経った現在も、稼動を続けております。
その後好調な堆肥販売が続いたため、さらに堆肥生産量を増やそうと平成21年に堆肥舎の増設を図りました。
そこで導入されたのがイージージェット(高圧通気システム)です。
『イージージェット』の導入
作業人員は1名体制のままにしたいとの要望で、新設の堆肥舎にはイージージェットを導入することになりました。
Cモードにより空気を含んだ原料はそのままでも十分に発酵しますが、この施設では更に堆肥品質を高めるため、温風機に堆積させ、さらにそこからイージージェット槽へと移動させます。
原料を発酵槽に堆積し、そのまま静置するだけで堆肥化完了しますので、作業手間もほとんどかからず、約3ヶ月で堆肥化しました。人員を増やすことなく生産量の増加に成功しています。
従来の切り返し型の生産方法と比べ発酵期間も短縮でき、堆肥センターの生産量拡大と省力化に繋がりました。
衛生的で悪臭のない堆肥化設備(プラント)
施設内は非常に衛生的で、悪臭等は全く発生していません。
シンプルな機器構成と使いやすいレイアウトで、建設から10年以上経過した現在でも変わらない能力を発揮しています。
冬期にはマイナス10℃程度になりますが、そうした条件下でも高い発酵温度をキープしています。
本施設は年間の運転費が少ないことも特徴で、施設の経費は堆肥の販売収入のみでまかなえており、公共の堆肥センターでありながら黒字運営を続けています。
堆肥は地元で高評価を得ており、年間を通じて安定した出荷量を誇ります。
実施策と効果
設備の新設 | 好調な堆肥販売をさらに拡大するため、堆肥生産量の増加を目的として新たな堆肥舎建設を行った。 |
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省力化したい | 作業人員1名のままで生産量拡大を図るため、切り返し手間のいらない設備導入を行った。 |