第6話 はじめての商品開発(前編)
乳牛糞や汚泥などの含水率の多いものも粒状化する、混合装置Cモード。
今では弊社のイチ押し装置の一つですが、その開発は一筋縄ではいきませんでした。
今回のコラムでは、その開発裏話をご紹介させていただきます!
第6話 はじめての商品開発(前編)
ミライエの一番はじめの商品開発は、Cモードという商品だ。開発に着手したのは20年以上前になる。当時の当社の本業は測量設計業務。なので素人が手探りで開発にあたった。
いろんな試験を重ねる中で、試作機の一つが、なぜか牛糞や汚泥を粒状に変える効果があることが分かった。装置に原料を入れてしばらくかき混ぜると、ベチャベチャだった牛糞がコロコロとした粒になって出てくる。とても不思議な現象だったが、最初はその意味も良く分かっていなかった。
お世話になっている特許事務所にこのことを報告すると、「牛のウンチが粒になるなんて面白いね。これで特許とれるかもよ」と太鼓判を押され、実際わずか数か月で特許が承認された。
ただ、最初に開発した試験装置は非常に複雑な機構で、製造費用も高かった。まず、ドラム型の本体の手前に原料などを貯めておくホッパーがついていて、そこからモーターとスクリューで少しずつ原料を本体に送り込む構造になっていた。混ぜ終わった後も、中身を取り出すためにドラム本体が油圧でダンプアップするなど、とにかく部品点数が多かった。構造が複雑だと不具合も多い。実際にこの試作機は、しょっちゅうメンテナンスしないとまともに動かないような代物だった。
そこで実用機の開発にあたっては、思い切った設計変更によって大幅な部品点数の削減を図ることにした。
まず、ホッパーに原料を貯める方式を止め、ショベルローダーからドラムに直接投入できるようにすること。そして、ドラムを傾けたりしなくても中身が簡単に取り出せるようにすること。この2つの目標を達成すべく、たくさんの実験と検討を重ねた。
今のCモードを知っていると、ドラムに直接投入できるなんて当たり前のように感じるかもしれないが、そもそもこうしたドラム型マシンで、直投入できる装置というのは現在でも恐らくほとんど存在しないはずだ。参考になる技術がないので、開発は困難を極めた。
(第6話 後編へつづく)